能登半島地震の復旧支援に関わる中で、私は、災害からの復旧・復興を左右するのは制度の有無だけではないと感じてきました。同じ制度でも、申請の入口や行政と住民の役割分担、難しい案件への判断の仕方によって、実際の流れは変わり得ます。
本稿では、公費解体を手がかりに、能登で見えた課題と、その後の熊本地震や重複災害への対応をたどりながら、「行政マネジメント」について考えます。
この記事の要点
- 同じ国の公費解体制度でも、所有者確認や相続関係の確認を誰が担うかなど、自治体の運用には違いがありました。
- 制度を用意するだけでなく、「どこで復旧の流れが止まっているのか」を把握し、制度を現場で使える状態にすることが重要です。
- 災害で生じた問題を次の制度・マニュアル・運用へ反映し、復旧・再建全体を見て改善を続ける行政マネジメントが求められます。
目次
第1章 災害が続く今、能登の経験を振り返る
2024年1月1日に発生した能登半島地震から、2年以上が経ちました。
しかし、その後も日本では大きな災害が続いています。
2026年7月28日には、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の「令和8年熊本地震」が発生しました。熊本県宇城市と氷川町では最大震度7を観測しています。気象庁によると、9月24日午前9時までに震度1以上を観測した地震は801回に達し、9月24日時点でも「平常時より地震発生数の多い状態は当分続く」とされています。〔1〕
地震だけではありません。
2026年には全国各地で大雨や台風による災害も相次いでいます。総務省消防庁の災害情報を見ると、6月24日からの大雨、8月の千葉豪雨、8月27日からの大雨と台風第24号・前線による大雨、9月の台風第25号などについて、被害や消防機関の対応状況が継続して公表されています。〔2〕
石川県も例外ではありません。
能登半島地震、そして2024年9月の奥能登豪雨からの復旧・復興が続く中、2026年8月27日からの大雨で、県内は再び被害を受けました。
石川県は、羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町の4市町を対象として、災害救助法に基づく住宅の応急修理を実施しています。県の制度では、準半壊以上の被害を受けた住宅について、屋根、床、壁、窓、台所、トイレなど日常生活に必要不可欠な部分を修理し、元の住宅で生活を継続できるよう支援する仕組みが設けられています。〔3〕
同じ4市町では、民間賃貸住宅を利用した「賃貸型応急住宅」、いわゆる「みなし仮設住宅」も供与されています。〔4〕
こうした状況を見ていると、改めて考えさせられます。
災害から学ぶとは、何を意味するのでしょうか。
耐震化を進める。河川や道路などのインフラを強靱化する。避難体制を整える。備蓄を増やす。被災後の支援制度を充実させる。
いずれも重要です。
しかし、行政書士として能登半島地震の復旧支援の現場に関わる中で、私はもう一つ、とても重要なことがあると感じるようになりました。
それは、災害が発生した後、既に用意されている制度を、実際にどう動かすのかという問題です。
どれほど充実した支援制度が用意されていても、住民が申請できなければ支援にはつながりません。
申請を受け付けても、そこで必要な確認に長い時間を要すれば、その先に進みません。
一つの手続きが止まれば、その後に続く解体、住宅再建、事業再開などにも影響します。
逆に言えば、復旧の流れを止めている原因を早い段階で発見し、行政がその問題を吸収したり、手続きの方法を工夫したりすることで、同じ制度であっても復旧の進み方は変わる可能性があります。
能登半島地震の復旧支援に関わる中で、そのことを強く感じた事例の一つが、公費解体でした。
公費解体という制度自体は同じです。
ところが、申請の前段階で必要となる所有者の確認、相続関係の確認、共有者の同意などへの対応は、必ずしも自治体ごとに同じではありませんでした。
そして、その「入口」の設計が、実際の復旧の流れに影響します。
このブログでは、能登半島地震の公費解体を一つの事例として、制度そのものではなく、その制度を動かす「行政マネジメント」について考えてみたいと思います。
ここでいう行政マネジメントとは、個々の制度を適正に処理するだけでなく、復旧・再建全体の流れを見て、どこで滞留しているのかを把握し、役割分担や手続きの進め方を調整することです。
さらに、能登で明らかになった問題が、その後の制度や運用の中でどのように扱われているのか、2026年の熊本地震や最近の大雨災害まで視野を広げて考えていきます。
第2章 公費解体は、なぜ入口で止まるのか
能登半島地震の復旧で、大きな課題となったものの一つが公費解体でした。
公費解体とは、大規模な災害で損壊した家屋などについて、一定の場合に市町村が所有者に代わって解体・撤去する仕組みです。
環境省が能登半島地震を踏まえてまとめた資料では、災害による被害が甚大な場合、生活環境保全上の支障の除去、二次災害の防止、被災者の生活再建支援、被災地の迅速な復旧を図るため、市町村が所有者に代わって家屋等を解体・撤去することができると整理されています。〔5〕
一見すると、公費解体は、「壊れた建物を解体する工事」の問題に見えます。
ところが、実際には解体工事が始まるより前に、さまざまな手続きがあります。
まず、誰がその建物の所有者なのかを確認しなければなりません。
所有者が亡くなっている場合には、相続人が誰なのかを確認する必要があります。
共有物件であれば、他の共有者との関係も確認しなければなりません。
そして、原則として、それらの権利者の意思を確認する必要があります。
なぜなら、どれほど大きな被害を受けた建物であっても、解体する対象は私有財産だからです。
環境省の検討資料でも、財産権は憲法によって保障された重要な権利であり、公費解体を考える際には、財産権の保護と復興推進のバランスの中で取り得る方法を検討する必要があると整理されています。〔5〕
この点は、とても重要です。
復旧を急ぐからといって、所有者の権利を無視してよいわけではありません。
一方で、所有者や相続人の確認ができないことを理由に手続きを長期間止めてしまえば、被災地の復旧そのものが進まなくなります。
能登半島地震では、まさにこの問題が現実になりました。
環境省のワーキンググループ取りまとめでは、公費解体が円滑に進まない具体的な所有権上の課題として、所有者が不明、所有者が死亡し法定相続人と連絡が取れない、登記の更新が行われず共同相続人が多数存在する、所有者不明の空き家となっていた、所有者は判明しているが同意が取れない、といったケースが挙げられています。〔5〕
つまり、公費解体の問題は、「解体業者を何班確保できるか」だけではありません。
解体工事にたどり着くまでに、すでに大きな問題が存在していたのです。
環境省が整理した能登半島地震の公費解体の手順を見ると、
相談・申請 → 申請内容確認 → 現地調査 → 解体工事発注 → 三者立会 → 解体工事着手 → 工事終了
という流れになっています。〔5〕
この流れを考えると、一つのことが分かります。
例えば、所有者確認が終わらなければ、その先の現地調査や工事へ進めません。
相続人の確認で止まれば、その後の工程も待つことになります。
つまり、公費解体の速度を考えるとき、最後の「解体工事」の能力だけを見ても、全体の速度は分からないということです。
私は、ここに行政マネジメントを考える上での重要なポイントがあると思います。
行政実務では、一つ一つの手続きを適正に処理することが重要です。
もちろん、それは必要です。
しかし、復旧という目的から見ると、申請から解体までの全体の流れの中で、今、どこが一番詰まっているのかを見る必要があります。
入口に大量の案件が滞留しているのに、後段の解体能力だけを増やしても、必ずしも全体は速くなりません。
逆に、入口で止まっている原因が所有者確認や相続関係の確認であれば、そこに行政や専門家の力を投入することによって、その後の工程へ案件を流せるようになります。
これは公費解体だけの問題ではありません。
住宅の再建であっても、事業者の復旧であっても、「次に進めない原因がどこにあるのか」を見つけなければ、いくら制度や人員を用意しても、期待したように復旧が進まないことがあります。
環境省自身も、公費解体を単独の事業としてではなく、「災害からの復興プロセスの一部」として捉えています。〔5〕
同資料では、発災初期、制度立ち上げ準備、制度立ち上げ、制度運用、復興期という時間軸の中に公費解体を位置付け、公費解体のみを急ぐのではなく、修繕など他の選択肢も含め、復興事業全体の動きを踏まえることが重要だと整理しています。〔5〕
これは、今回考えたい「行政マネジメント」に非常に近い考え方だと思います。
個々の手続きが正しく処理されているかだけではなく、復旧・復興全体が前に進んでいるか。
そして、前に進んでいないのであれば、どこで止まっているのか。
そこを見ることが重要です。
では、能登の自治体は、公費解体の入口にあった所有者確認や相続関係の問題に、実際にどのように対応したのでしょうか。
公開されている各市町の資料を比較すると、興味深いことが分かります。
同じ公費解体という制度を使っていても、住民と行政の役割分担は同じではありませんでした。
ある自治体では、登記事項証明書を申請者自身に取得してもらいました。
別の自治体では、行政が法務局から登記情報を取得し、住民による提出を不要としました。
また、相続関係を確認するための戸籍についても、申請者に取得を求めた自治体がある一方、行政が職権で取得した自治体もあります。
次章では、この違いを具体的に見ていきたいと思います。
第3章 同じ制度でも、自治体の運用は同じではない
前章では、公費解体の速度を左右するのは、解体工事そのものだけではなく、その前段階にある所有者確認や相続関係の確認であることを見てきました。
では、能登半島地震の際、各自治体はこうした手続きをどのように進めていたのでしょうか。
各市町が公開している公費解体の申請案内を比較すると、興味深いことが分かります。
同じ公費解体という制度を使っていても、申請者に何を求め、行政がどこまで確認するかは、自治体によって必ずしも同じではありませんでした。
これは単なる書類の様式の違いではありません。
所有者確認や相続関係の整理という、前章で見た「公費解体の入口にある問題」を、住民と行政のどちらが、どの段階で処理するのかという違いでもあります。
輪島市―登記は申請者、戸籍は行政が確認
まず、輪島市を見てみます。
輪島市の「令和6年能登半島地震に伴う被災家屋等の解体・撤去等のお知らせ(第16版)」では、公費解体の共通の必要書類として、「登記事項(建物)全部事項証明書」を申請者に求めています。〔6〕
さらに、その前段階の説明でも、次のようにしています。
事前に「登記事項(建物)全部事項証明書」を法務局で取得する等して、権利関係を十分御確認ください
つまり、まず申請者自身が、登記上の所有者や権利関係を確認するという設計です。
ところが、相続未登記の場合の戸籍については扱いが違います。
「戸籍等は輪島市が職権で取り寄せし確認するので不要」
と明記されています。〔6〕
ここには、二つの作業の分担があります。
登記については申請者自身が確認する。
しかし、登記を確認した結果、所有者が既に死亡していて相続関係を調べる必要がある場合、その先の戸籍収集は行政が行う。
相続関係によっては、被相続人の出生から死亡までの戸籍をたどり、さらに複数の相続人を確認しなければならないことがあります。
しかも、本籍地が輪島市内とは限りません。
災害で住居や生活基盤を失った被災者自身に、こうした戸籍の収集をすべて求めれば、大きな負担になります。
輪島市の運用は、登記上の権利関係を申請者にも早期に確認してもらいながら、その後に生じる戸籍収集という負担を行政側が引き受ける方式と見ることができます。
能登町―登記情報は行政が直接確認する
一方、能登町では、登記事項証明書について、申請者自身による提出を不要とする運用が行われていました。
2024年3月12日の衆議院環境委員会で、環境省は、能登町の公費解体について、登記事項証明書を申請者から提出させるのではなく、町が法務局から登記情報の提供を受けて確認している事例を説明しています。〔7〕
つまり、申請者自身が法務局で登記事項証明書を取得し、町へ提出する必要はありませんでした。
行政側で取得できる情報を行政が確認することで、被災者の書類取得・提出の負担を減らしていた事例と見ることができます。
一方、所有者が死亡している場合の相続関係書類や戸籍を誰が取得・提出していたのかについては、以前公表されていた能登町の資料では確認できましたが、現在その資料へのリンクは公開されていません。
そのため本稿では、能登町の相続関係書類の役割分担については、現在アクセス可能な公開資料から確認できる範囲を超えて記載しないこととします。
内灘町・宝達志水町も行政が登記情報を確認
内灘町も、登記事項証明書については能登町と同じ方向です。
「公費解体制度について」には、
「内灘町が法務局から登記情報提供を受けて確認するため提出不要」
と明記されています。〔8〕
一方、所有者が死亡している場合には、遺産分割協議書や、被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本、法定相続人の戸籍謄本など、相続関係を確認できる書類の提出を求めています。〔8〕
宝達志水町も同様です。
建物や土地の所有者を確認するための登記事項証明書について、町が法務局の情報を確認するため、申請者自身が法務局へ行って取得する必要はないとされています。〔9〕
その一方、所有者が死亡している場合には、所有者の死亡と相続人全員との関係が分かる戸籍謄本等を申請者側に求めています。〔9〕
したがって、内灘町や宝達志水町についても、登記情報は行政側で確認し、相続関係の確認資料は申請者側から提出してもらうという役割分担だったことが確認できます。
七尾市―登記も相続関係書類も申請者側
七尾市については、2025年11月19日に更新された市の公費解体案内ページに掲載されている必要書類一覧を確認しました。
この資料でも、共通の必要書類として、「登記事項(建物)全部証明書」を申請者に求めています。〔10〕
さらに、所有者が死亡している場合には、相続関係図や戸籍など、相続したことが分かる書類一式を求めています。〔10〕
したがって、公開資料からは、
登記確認=申請者側
相続関係の戸籍等=申請者側
という役割分担だったことが確認できます。
同じ制度でも、役割分担には複数の方法があった
各自治体の公開資料で確認できる役割分担(各資料公表時点)
| 自治体の例 | 登記情報 | 相続関係の戸籍 |
|---|---|---|
| 輪島市 | 申請者が提出 | 市が職権取得 |
| 能登町 | 町が法務局の情報で確認 | ―(現在確認可能な公開資料では確認できず) |
| 内灘町 | 町が法務局の情報で確認 | 原則として申請者側 |
| 宝達志水町 | 町が法務局の情報で確認 | 原則として申請者側 |
| 七尾市(2025年11月更新資料) | 申請者が提出 | 申請者側 |
※能登町については、登記事項証明書を申請者から提出させず、町が法務局から登記情報の提供を受けて確認していたことを、2024年3月12日の衆議院環境委員会で環境省が説明しています。一方、相続関係書類の役割分担については、現在アクセス可能な公開資料では確認できなかったため、表には記載していません。
ただし、ここで注意しておきたいことがあります。
これらの資料は公表時期が同じではありません。 また、震災後、各自治体は実務を進めながら制度や必要書類を変更しています。
したがって、この表だけを使って、「どの自治体の対応が優れていたか」と単純に評価することはできません。
ここで確認したいのは優劣ではなく、同じ国の公費解体制度であっても、「住民が行うこと」と「行政が行うこと」の境界には複数の設計があったという事実です。〔6〕~〔10〕
これは、行政マネジメントを考える上で非常に興味深いことだと思います。
被災者の負担を減らせば、それでよいのか
行政が登記情報を直接確認すれば、被災者が法務局へ行って証明書を取得する必要がなくなります。
その分、住民の書類取得・提出の負担は減ります。
一方で、私は現場に関わる中で、もう一つ考えるようになりました。
登記事項証明書を申請者自身が取得する方式には、申請の初期段階で、自分が考えていた所有関係と実際の登記の状態が一致しているかを本人が確認する機会になるという面も考えられます。
例えば、「父から引き継いだ自分の家」と思っていたものが、登記上はさらに前の世代の名義のままだったとします。
そのことが早い段階で分かれば、「相続関係を確認しなければならない」という次の問題も早く認識できます。
ただし、これは公開資料によってその効果が実証されているという意味ではありません。
あくまで、手続き全体を考えた場合にあり得る一つの効果についての私の考察です。
逆に、行政が登記情報を取得する方式であっても、その結果を早い段階で申請者に伝え、必要な相続関係の確認へすぐにつなげる仕組みがあれば、住民負担を減らしながら問題を早期に発見できます。
そう考えると、本当に重要なのは、「登記事項証明書を誰が取るか」ではありません。
問うべきなのは、「所有権や相続という問題を、復旧の流れのどこで発見し、どれだけ早く解決につなげるか」ということではないでしょうか。
一つの窓口の負担だけを減らすことと、申請から解体までの全体の時間を短くすることは、必ずしも同じではありません。
行政マネジメントという視点では、住民負担を減らしながら、問題をできるだけ早く発見し、後工程で大きな手戻りを生じさせない仕組みをどう設計するかを考える必要があります。
そして、公費解体には、この所有者確認よりさらに難しい問題がありました。
所有者や相続人は判明している。しかし、全員の同意を得ることができない。
その場合、どうするのか。
この問題に対応するため国が示した方法の一つが、次章で取り上げる「宣誓書方式」です。
第4章 宣誓書方式から見える「制度」と「運用」の距離
前章では、所有者や相続人を確認するための手続きについて、自治体ごとにさまざまな運用があったことを見てきました。
しかし、公費解体にはさらに難しい問題があります。
相続人や共有者が誰なのかは分かっている。しかし、全員から同意を得ることができない。
という場合です。
例えば、相続が何世代にもわたって繰り返され、法定相続人が多数に及んでいるケースがあります。
相続人の所在が分からない場合もあります。
所在が分かっていても連絡が取れない。あるいは連絡しても返答がないということもあります。
一方、公費解体の対象となる建物は私有財産です。
本人以外にも権利者がいるのであれば、行政が一方的に処分するわけにはいきません。
ここに、財産権を守る必要性と、被災地の復旧を早く進める必要性という二つの要請がぶつかります。
国が示した「宣誓書方式」
この問題について、環境省と法務省は2024年5月28日、「令和6年能登半島地震によって損壊した家屋等に係る公費解体・撤去に関する申請手続等の円滑な実施について」という事務連絡を関係県へ発出しました。〔11〕
この事務連絡では、相続登記がされていないため所有者確認が難しい場合や、共有者全員から同意書を取得することが困難な場合について、公費解体の手続きを円滑化・迅速化する方法として、所有者不明建物管理制度とともに、いわゆる「宣誓書方式」を活用できることが示されています。〔11〕
具体的には、共有者等への意向確認を行ったものの返答がない、所在が分からないといった状況に加え、建物の状態などを総合的に考慮し、申請に対して他の共有者等から異議が出る可能性が低いと考えられる場合には、所有権等について紛争が発生しても申請者の責任で解決する旨の宣誓書を提出してもらうことによって、公費解体を行って差し支えないと整理しています。〔11〕
つまり、宣誓書方式は、「誰か一人の同意が取れなければ、すぐに同意を不要にできる制度」ではありません。
まず、共有者等への意向確認を行う。
それでも確認が困難である。
さらに建物の状態なども考慮する。
そのうえで、異議が出る可能性が低いと判断される場合に利用する方法です。
財産権への配慮をなくす制度ではなく、必要な確認を行いながら、「全員の同意書が揃わない」という一点だけで復旧を止めないための仕組みと考えた方がよいでしょう。
なお、事務連絡には実際に使用できる「被災家屋等の解体・撤去に係る宣誓書」の参考様式も添付されています。〔11〕
国は「積極的な活用」を呼びかけた
さらに、2024年7月の能登創造的復興タスクフォース(第2回)資料「公費解体の課題と取組状況について」では、共有者全員の同意取得が困難な場合への対応が改めて整理されています。
所有者等またはその所在が判明しない場合には所有者不明建物管理制度を活用し、共有者等の意向確認が困難な場合には、宣誓書方式により申請できることを示したうえで、
「積極的に活用いただきたい」
としています。〔12〕
ここは重要だと思います。
国としても、単に「制度上使えます」と示しただけではなく、能登の公費解体を進めるため、実際に利用してほしい手法として位置付けていたことが分かります。
能登では全体の約5%で宣誓書が使われた
その後、宣誓書方式は実際にどの程度使われたのでしょうか。
環境省の「公費解体・撤去マニュアル第7版」には、令和6年能登半島地震では、全体の約5%で宣誓書を活用した公費解体・撤去が行われたと記されています。
さらに、それによるトラブル等も報告されなかったとされています。〔13〕
5%という数字だけを見ると、小さいように思えるかもしれません。
しかし、宣誓書方式の対象となるのは、通常の方法では共有者等の同意をそろえることが難しい案件です。
つまり、この方式がなければ、手続きが止まり続けた可能性のある案件について、別の道を用意したことになります。
ただし、注意が必要です。
環境省の公表資料には、この約5%の市町別内訳は掲載されていません。
したがって、「どの自治体が何件利用したのか」「自治体間で活用率にどの程度の差があったのか」までは、この資料から判断することはできません。
本稿では、そこを推測することは避けます。
「制度がある」ことと「使える」ことは同じではない
ここで、私が行政マネジメントという観点から重要だと思うことがあります。
国が制度や運用方法を示したからといって、その日からすべての自治体で同じように使えるわけではありません。
例えば、どのような案件なら宣誓書を使えるのか。共有者への連絡をどこまで行えばよいのか。返答がない場合、どれくらい待つのか。誰が「異議が出る可能性が低い」と判断するのか。その判断を担当職員だけに委ねるのか、組織として判断基準を作るのか。申請者や行政書士などの支援者に、その方法が使えることをどう周知するのか。
こうした実務が決まらなければ、制度は存在していても、実際には使いにくいものになります。
しかも、公費解体は私有財産の処分です。
後になって「自分は同意していない」という権利者が現れる可能性を考えれば、自治体の担当者が慎重になるのは当然です。
したがって、慎重な行政=悪い行政という話ではありません。
問題は、その慎重さを維持しながら、復旧を不必要に止めない運用をどうつくるかです。
ここに、単なる制度論ではなく、行政マネジメントの問題があります。
七尾市では2025年9月にも議会で議論された
七尾市の公開資料を見ると、この問題が2025年9月時点でも議会で取り上げられていたことが確認できます。
2025年9月の七尾市議会では、「申請困難事例への柔軟な運用と宣誓書の活用を!」という一般質問が行われています。
質問では、半壊や全壊に認定されている建物であっても、
相続関係や共有物件の同意書が取れないケース
があり、解体を望んでいるにもかかわらず申請できず困っている人がいるとして、宣誓書方式の活用が取り上げられました。〔14〕
これに対して市は、
宣誓書の活用については、すべてを画一的に対応するものではない
としたうえで、申請者の状況に応じて柔軟に運用していきたいとの考えを示しています。〔14〕
国が宣誓書方式を示したのは2024年5月でした。
その1年以上後の2025年9月にも、七尾市議会で、相続関係や共有物件の同意取得が困難な案件と宣誓書方式の活用が議論されていたことになります。
ただし、ここも慎重に扱う必要があります。
この公開資料だけから、「七尾市が宣誓書方式を導入したのが遅かった」とか、「それまで宣誓書方式を使っていなかった」と断定することはできません。
また、実際にいつから何件の案件で使われていたのかも、この資料からは分かりません。
公開資料から確実に言えるのは、国が2024年5月に宣誓書方式を示し、その1年以上後にも七尾市では同意取得困難案件への対応と宣誓書の活用が議会で課題として取り上げられていたというところまでです。
ここは、事実と推測を明確に分けておきたいと思います。
制度を「現場で使える仕組み」にする
宣誓書方式の事例から見えてくるのは、制度をつくることと、その制度を実際に機能させることの間には距離があるということです。
国が通知する。
自治体が制度を知る。
それだけでは、被災者の手続きは前へ進みません。
実際の現場では、どの案件に使うのか、誰が判断するのか、どの程度の確認を行うのか、どう記録を残すのか、関係者へどう周知するのかまで決める必要があります。
私は、ここまで含めて「行政マネジメント」なのだと思います。
災害時には、制度を忠実に運用するだけでなく、その制度が現場で本当に使えているのかを見る必要があります。
もし使われていないのであれば、制度そのものに問題があるのか。判断基準が曖昧なのか。担当者がリスクを負いすぎているのか。住民に制度が知られていないのか。別のところに問題があるのか。
その原因を見つけなければなりません。
能登半島地震では、こうした公費解体の課題を受け、環境省の公費解体・撤去マニュアルも繰り返し改訂されました。〔13〕
そして現在の第7版には、能登で実際に宣誓書方式が使われた実績まで反映されています。
つまり、災害対応は、完成した制度をそのまま適用するだけの仕事ではないということです。
現場で問題が起きる。その問題を把握する。運用を変える。その経験をマニュアルに残す。そして、次の災害では、最初から同じ問題で止まらないようにする。
これもまた、災害から学ぶ行政の一つの姿ではないでしょうか。
そして、その「次の災害」は、すでに発生しています。
2026年7月28日に発生した熊本地震です。
次章では、能登で大きな課題となった公費解体について、熊本では現在どのような運用が行われているのかを見てみたいと思います。
第5章 能登で見えた課題は、その後の災害対応でどう扱われているか
2026年7月28日、熊本県で「令和8年熊本地震」が発生しました。
能登半島地震から約2年半後に発生した大規模災害です。
ここまで見てきたように、能登半島地震の公費解体では、解体工事そのものだけでなく、所有者確認、相続関係の確認、共有者等の同意、必要書類の収集、個別案件についての判断といった、申請の入口にある問題が大きな課題になりました。〔5〕
では、その後に発生した熊本地震では、公費解体の手続きはどのように設計されているのでしょうか。
公開資料を確認すると、能登で問題となった点と重なる部分について、いくつか興味深い運用が見えてきます。
必要書類が全部そろうまで、申請そのものを待たせない
熊本市の公費解体制度で、まず目を引くのが申請受付の方法です。
熊本市の「被災した家屋等の解体・撤去制度のご案内」では、公費解体の申請期限を2026年12月10日としたうえで、不足書類は2027年2月28日までに提出することとしています。〔15〕
熊本市のホームページでも、
必要書類が全て揃わない時点でも申請は可能
と明記されています。〔15〕
これは、能登で見てきた「入口で手続きが止まる」という問題を考える上で、興味深い運用です。
通常の行政手続きを考えると、必要書類を全部そろえる → 申請する → 内容を確認するという順番をイメージしがちです。
しかし、災害時には、必要書類の中に取得まで時間がかかるものがあります。
例えば、共有者全員の同意書、相続人を確認するための戸籍、遺産分割協議書です。
こうした書類が一つでもそろわなければ申請そのものができないという運用であれば、その間、案件は入口で止まることになります。
熊本市では、この点について、申請時点で書類がすべてそろっていなくても受け付け、不足書類を後から提出できる仕組みにしています。
同じ案内のQ&Aでも、同意書の取得などに時間がかかり、申請期限までにすべての書類をそろえられない場合について、まず申請期限までに提出可能な書類を提出し、その後、不足書類を期限までに提出するよう案内しています。〔15〕
ここで重要なのは、必要な確認を省略しているわけではないということです。
熊本市は、共有者がいる場合には共有者全員の同意書を求めています。
また、登記上の所有者が死亡している場合には、死亡を確認する書類、相続人全員を確認できる戸籍、遺産分割協議書または同意書などを必要書類としています。〔15〕
さらにQ&Aでも、「共有者や相続人等の同意書は必須か」という問いに対して、必須であることを明記しています。〔15〕
したがって、この運用は、権利関係の確認を省略することではなく、確認が完了するまで申請そのものを止めないというものです。
私は、これは手続きの「順番」を工夫していると見ることができると思います。
全部そろうまで入口で待つのではなく、提出できるものから受付を始め、不足するものを並行してそろえる。
公費解体を一つの申請手続きとして見るのではなく、複数の工程からなる「流れ」として見ると、この運用の意味が分かりやすくなります。
罹災証明書がまだなくても、手続きを始める
同じ考え方は、罹災証明書についても見られます。
熊本市は、罹災証明書の発行を待っている人についても、公費解体の申請予約を受け付けています。〔15〕
さらに、罹災証明書の発行申請中などの場合について、予約した申請日にまず共通書類を提出し、罹災判定が確定した後に、共有者や相続関係などの追加書類を提出することができるとしています。〔15〕
つまり、全部が確定してから一斉に動き始めるのではなく、確定している部分から先に手続きを進めることができる仕組みです。
災害対応では、一つの確認が終わるまで全工程を止めてしまえば、その待ち時間がそのまま復旧全体の時間に加わります。
一方、並行して進められる工程を先に動かしておけば、必要な確認が終わったときに次の工程へ移りやすくなります。
もちろん、熊本市自身が「全体の流れを速めるためにこの方式を採った」と説明しているわけではありません。
したがって、ここから先は私の考察ですが、手続きを直列に並べるのではなく、可能なものを並行して進める設計と捉えることができます。
発災後早い段階から国が「公費解体支援チーム」を設置
熊本地震では、自治体だけでなく、国による支援体制も早い段階でつくられています。
環境省は、地震発生から10日後の2026年8月7日、「令和8年熊本地震公費解体支援チーム」を設置しました。〔16〕
環境省によれば、このチームは、公費解体の総合調整や関係行政機関との連携を強化し、被災自治体や被災者のニーズに応じた迅速な支援を行うために設置されたものです。〔16〕
同じ8月7日には、環境省、熊本県、熊本市による「災害廃棄物支援調整本部」も設置されています。〔16〕
さらに、8月10日には被災市町村の担当者を対象として、公費解体の進め方や留意事項などについての説明会が行われました。〔17〕
熊本県の8月13日の説明資料では、市町村への制度説明や相談対応に加え、その後も市町村を支援していく方針が示されています。〔17〕
つまり、被災市町村がそれぞれ一から公費解体の運用を考えるのではなく、国や県が発災後早い段階から実務を支援する体制が構築されています。
これは、自治体単独で問題を抱え込まないという意味でも重要だと思います。
熊本県は「進捗管理」を支援項目にした
今回のブログのテーマとの関係で、私が特に注目したのが熊本県の市町村支援です。
熊本県は、公費解体に取り組む市町村への伴走支援を、①技術的支援、②連絡調整、③進捗管理という三つの柱で整理しています。〔17〕
技術的支援では、仮置場の確保・運営や、廃棄物の搬出先となる処理施設との広域調整。
連絡調整では、解体工事業界や産業資源循環業界などとの調整。
そして、三つ目に掲げているのが「進捗管理」です。
公費解体の処理状況の把握・進捗管理
→早め早めの助言等
と明記されています。〔17〕
ここは、今回考えてきた行政マネジメントという視点から見ると、非常に興味深いところです。
進捗管理というと、「何件申請されたか」「何棟解体されたか」という数字を集計することを想像しがちです。
しかし、処理状況を把握する → 問題が起きそうなところを早く見つける → 市町村に早めに助言するというところまで含めれば、それは単なる集計ではありません。
復旧の流れを見て、滞留が大きくなる前に対応するためのマネジメントになります。
第2章で見たように、申請から解体までの全体の流れの中で、どこが詰まっているのかを見ることが重要です。
熊本県が公費解体について「進捗管理」と「早め早めの助言」を支援内容として明示していることは、その考え方と重なります。
公費解体マニュアルも熊本へ周知された
さらに環境省は8月24日、熊本県に対して、公費解体・撤去の申請手続きの受付体制の確保、公費解体・撤去に関する各種対応、改訂された「公費解体・撤去マニュアル第7版」などを周知しています。〔18〕
第4章で見たように、この第7版には、能登半島地震で問題となった所有者確認や共有者等の同意、宣誓書方式などについて、能登での実績も含めた現在の考え方が整理されています。〔13〕
能登の公費解体を進める過程で、所有者が分からない、相続人が多数いる、同意を取れない、書類をそろえることが難しいといった課題が明らかになりました。
その後、環境省は事務連絡を発出し、マニュアルを改訂してきました。〔11〕〔13〕
そして熊本地震では、その最新版が発災後早期に現地へ周知されています。〔18〕
ここには、災害対応の知見が次の災害へ引き継がれていく一つの仕組みを見ることができます。
「能登の教訓が熊本に生かされた」とまでは言えない
ただし、ここは慎重に書いておきたいと思います。
今回確認した公開資料から、「能登で公費解体が遅れた反省から、熊本市が不足書類の後日提出を認めた」とか、「能登の経験を受けて、熊本県が進捗管理を導入した」といった直接的な因果関係までは確認できません。
熊本県には、2016年の熊本地震をはじめ、自ら大規模災害に対応してきた経験もあります。
したがって、熊本の現在の対応を、「能登の方法をそのまま移したもの」と評価することは適切ではありません。
公開資料から確認できるのは、能登で大きな課題となった種類の問題について、熊本地震では、申請受付の方法、国・県による早期支援、進捗管理などの対応が行われているということです。
また、その際に用いられる国のマニュアルには、能登で得られた知見も反映されています。〔13〕〔18〕
ここは、事実と推測を分けておきたいと思います。
災害から「学ぶ」とは何か
それでも、熊本の現在の対応を見ていると、私は一つのことを考えます。
災害から学ぶとは、何なのか。
ある災害で、「ここで申請が止まった」「この確認に時間がかかった」「判断方法が分からず、現場が迷った」「市町村だけでは対応しきれなかった」ということが分かったのであれば、その経験を記録するだけで終わらせる必要はありません。
次の災害では、最初から止まりにくい仕組みにする。
全部の書類がそろうまで申請そのものを待たせる必要があるのか。
並行して進められる手続きはないのか。
自治体だけでは難しい問題に、国や県がもっと早く入れないか。
進捗を継続的に把握し、問題が大きくなる前に支援できないか。
前の災害で出た問題を、次の災害では最初から想定できないか。
こうした改善を積み重ねることが、災害の経験を「行政の学習」に変えるということなのではないでしょうか。
制度をつくる。運用する。問題が起きる。原因を確認する。運用を改善する。そして、その改善を次の災害の標準にする。
この循環が回れば、災害のたびに同じ問題を一から経験する必要はなくなります。
しかし、最近の災害を見ていると、もう一つ考えなければならないことがあります。
それは、前の災害からの復旧が終わる前に、次の災害が起きるという問題です。
能登半島地震の後には奥能登豪雨が発生し、その復旧・復興が続く中で、石川県では2026年にも大雨による被害が発生しました。
次章では、公費解体という一つの制度から少し視野を広げて、災害が重なる時代に、行政は何を管理すべきなのかを考えてみたいと思います。
第6章 大雨・重複災害の時代に、行政は何を見るべきか
これまで、公費解体を中心に、一つの災害からどう学び、次の災害ではどう改善するかを考えてきました。
しかし、最近の災害を見ていると、それだけでは十分ではないことに気付きます。
私たちは、災害について無意識のうちに、災害が発生する → 復旧する → 復興する → 次の災害に備えるという順番を想定しているのかもしれません。
現実には、そうならないことがあります。
前の災害からの復旧・復興が終わらないうちに、次の災害が発生する。
能登は、その典型です。
能登半島地震の復旧途中に、奥能登豪雨、そして再び大雨
2024年1月に能登半島地震が発生しました。
その復旧・復興が進む途中の同年9月、奥能登豪雨が発生しました。
そして2026年8月27日からの大雨では、石川県内で再び被害が発生しました。
石川県は、羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町の4市町を対象として、住宅の応急修理を実施するとともに、民間賃貸住宅を利用した「賃貸型応急住宅」、いわゆる「みなし仮設住宅」を供与しています。〔3〕〔4〕
この賃貸型応急住宅制度の中に、今回のテーマを考える上で興味深い規定があります。
対象者の一つとして、
令和6年能登半島地震または令和6年奥能登豪雨で入居した賃貸型応急住宅が今回の大雨で被害を受け、一定の要件を満たし、別の賃貸型応急住宅への住み替えを希望する人
が挙げられています。〔4〕
つまり、地震で被災する → みなし仮設住宅で生活する → その住宅が次の大雨で被災する → 別のみなし仮設住宅へ住み替えるという状況まで制度の中で想定されていることになります。
これは、現在の災害対応の現実をよく表していると思います。
2026年9月でも、能登の仮設住宅生活は続いている
能登半島地震から2年以上が経っています。
それでも、生活再建は続いています。
石川県が公表した2026年9月1日現在の資料では、能登半島地震による応急仮設住宅等には、7,169世帯、13,980人が入居しています。
奥能登豪雨についても、165世帯、381人が入居しています。
両方を合わせると、7,334世帯、14,361人になります。〔19〕
もちろん、この数字だけから「復旧が進んでいない」と評価することはできません。
住宅再建には時間がかかりますし、被災者それぞれの事情も異なります。
ここで確認したいのは、過去の災害からの生活再建が現在も続いている中で、新たな災害への対応も同時に行われているということです。〔4〕〔19〕
災害対応は、必ずしも一つの災害が終わってから次へ進むものではありません。
複数の災害への対応が、時間的に重なって進むことがあります。
行政にとっては別の災害でも、被災者にとっては一続き
災害対応の支援は、制度上、災害ごとの適用や運用として整理されることが多くあります。
能登半島地震への支援。
奥能登豪雨への支援。
2026年8月の大雨への支援。
行政上は、それぞれ別の災害です。
しかし、被災者にとっては必ずしもそうではありません。
自宅を失う。仮設住宅へ移る。被災した家屋を修理するのか、解体するのかを考える。生活再建を進める。その途中で、再び災害に遭う。
本人にとっては、すべてが「自分の生活をどう再建するか」という一続きの問題です。
その意味で、石川県が、能登半島地震や奥能登豪雨で入居した賃貸型応急住宅が新たな大雨で被災した場合に、別の賃貸型応急住宅への住み替えを可能としていることは注目されます。〔4〕
行政上は別の災害であっても、被災者の生活再建という流れを途切れさせないために、制度をつないでいると見ることができるからです。
事業者にも「多重被災」が起きている
同じ問題は、事業者にもあります。
熊本県が2026年9月に創設した「くまもと事業者再出発支援補助金」を見ると、そのことが制度上も明確に表れています。
この補助金は、令和8年熊本地震によって被災した店舗や工場などの事業用施設・設備について、原状復旧費用の一部を支援するものです。
中小企業・小規模事業者については、補助率4分の3、上限3億円とされています。
さらに、過去の災害で被災し、今回再び被災した一定の事業者について、「特定被災事業者(多重被災事業者)」という区分を設けています。
この場合、補助上限15億円、そのうち5億円まで定額補助という特別な措置が設けられています。〔20〕
私は、「多重被災事業者」という言葉が制度の中に明確に位置付けられていること自体が象徴的だと思います。
災害対応を、一度被災し、一度復旧すれば終わりという前提だけでは考えられなくなっているということです。
被災者・事業者から見れば、制度は一続き
行政には、さまざまな支援制度があります。
住宅の応急修理、応急仮設住宅、公費解体、被災者生活再建支援、住宅再建への支援、事業者向けの復旧補助金、融資制度、雇用対策。
それぞれに目的があり、担当する部署も異なります。
行政組織として、制度や所管が分かれていること自体は当然です。
しかし、利用する側から見ると、これらは必ずしも別々の問題ではありません。
例えば、住宅であれば、今の家に住み続けられるのか → 修理するのか、解体するのか → 解体するならどの制度を利用するのか → その間どこに住むのか → 再建資金をどう確保するのか → いつ元の地域へ戻れるのかという一続きの問題です。
事業者であれば、施設を復旧する → 設備を入れる → 資金を調達する → 従業員を確保する → 取引を再開する → 売上を回復させるという流れがあります。
その途中のどこか一つが止まれば、再建全体も止まります。
公費解体だけを早くしても、その後の住宅再建が進まなければ、生活再建は完了しません。
補助金で施設や設備を復旧できても、資金繰り、人材、取引再開など別のところで止まれば、事業再建にはつながりません。
だからこそ、行政には、制度ごとの処理件数を見る視点だけでなく、被災者や事業者の再建全体が、今どこで止まっているのかを見る視点が必要ではないでしょうか。
「新しい制度をつくる」だけでは解決しない
災害が発生すると、新しい支援制度を求める声が出ます。
もちろん、既存制度では対応できない問題には、新しい制度が必要です。
しかし、ここまで公費解体の事例で見てきたように、制度そのものが存在していても、必要書類がそろわない、相続人を確認できない、共有者等の同意が取れない、判断基準が定まらない、担当者だけでは判断が難しい、関係部署や関係機関との調整に時間がかかるといったところで、実際の支援が止まることがあります。
そうであれば、解決策はいつも、「新しい制度を追加すること」とは限りません。
すでにある制度について、何が流れを止めているのかを見つける。
行政が持っている情報を使えば解決できないか。
専門家を投入すれば解決できないか。
手続きを順番に一つずつ行うのではなく、並行して進められないか。
別々の制度の間をつなげられないか。
こうした行政運用やマネジメントによって解決できる問題もあります。
第5章で見た熊本市の、不足書類があっても提出可能な書類から受け付ける仕組み〔15〕や、熊本県の「進捗管理」「早め早めの助言」〔17〕も、制度を新たに一つ追加するというより、既存の制度をどう動かすかという問題として見ることができます。
災害単位ではなく、「復旧・再建の流れ」を管理する
ここまで見てくると、今後の災害対応で行政が見るべきものも変わってくると思います。
例えば、「公費解体を何棟処理したか」という数字は重要です。
しかし、それだけではありません。
その公費解体が終わった後、被災者の住宅再建は進んでいるのか。
みなし仮設住宅から次の住まいへ移ることができているのか。
事業者は補助金を利用して施設や設備を復旧した後、実際に事業を再開できているのか。
前の災害から残っている課題に、新しい災害による問題が重なっていないか。
つまり、「制度がどこまで進んだか」だけではなく、「人や事業の再建がどこまで進んだか」を見る必要があります。
そして、再建が止まっているのであれば、今、復旧・再建全体の流れを止めている最大の問題は何なのかを把握する。
そこへ人員や専門家、情報、制度運用上の工夫を集中する。
私は、これが災害対応における行政マネジメントの重要な役割だと思います。
能登の公費解体という一つの事例から始めた話ですが、ここまで考えてくると、問題は公費解体だけではありません。
住宅再建。事業再建。生活再建。そして、重複する災害への対応。
そのどれについても、復旧・再建全体の流れを見て、今どこで止まっているのかを把握するという視点が共通して必要なのではないでしょうか。
次章では、ここまでの事例を踏まえて、このブログのタイトルでもある、「行政マネジメントが地域の未来を変える」とはどういうことなのか、最後にまとめたいと思います。
第7章 行政マネジメントが地域の未来を変える
ここまで、能登半島地震の公費解体を出発点に、その後の熊本地震や大雨災害への対応まで見てきました。
公費解体という一つの制度だけを見ても、さまざまなことが分かります。
所有者をどう確認するのか。
相続関係を誰が調べるのか。
共有者等の同意が得られない場合にどうするのか。
必要書類が全部そろうまで申請を待つのか、それとも提出できるものから先に受け付けるのか。
進捗が遅れている場合、誰がそれを把握し、どの段階で支援に入るのか。
制度そのものは同じでも、こうした運用の違いによって、実際の復旧の流れは変わり得ます。
私は、能登の復旧支援に関わる中で、このことを強く感じました。
そして改めて考えると、これは災害対応だけに限らない、行政運営そのものの問題でもあるように思います。
「制度がある」ことと「支援が届く」ことは違う
行政には多くの制度があります。
災害が起きれば、公費解体、住宅の応急修理、応急仮設住宅、生活再建支援、事業者向け補助金、融資制度など、さまざまな支援策が用意されます。
制度を整えることは重要です。
しかし、制度が存在していることと、その制度によって実際に被災者の生活再建が進むことは、同じではありません。
申請するための書類がそろわない。
所有者が確認できない。
相続人の一人と連絡が取れない。
どの制度を利用できるのか本人には分からない。
担当部署が複数にまたがる。
判断が難しい案件が担当者のところで止まる。
制度そのものには問題がなくても、こうしたところで実際の支援が止まることがあります。
行政の立場から見れば、「制度は用意している」という状態でも、住民の立場から見れば、「制度を利用できない」という状態があり得るのです。
だからこそ、制度の有無だけではなく、制度が実際に利用され、次の工程へつながっているかを見る必要があります。
「何件処理したか」だけでは見えないもの
行政では、事業の進捗を数字で管理します。
申請件数。受付件数。交付決定件数。解体完了棟数。
こうした数字は、もちろん重要です。
しかし、数字だけを見ていると見えにくいものがあります。
例えば、公費解体の申請件数が想定より少ない場合、「申請希望者が少ない」と考えることもできます。
しかし実際には、申請したいのに、相続関係を整理できず申請書を出せない人がいるのかもしれません。
そうであれば、申請件数を増やすために広報を強化しても、問題は解決しません。
必要なのは、相続関係の確認をどう支援するかを考えることです。
つまり重要なのは、数字が低いことそのものではなく、「なぜそこで流れが止まっているのか」を見ることだと思います。
第5章で紹介した熊本県は、公費解体に取り組む市町村への伴走支援の一つとして「進捗管理」を掲げ、
公費解体の処理状況の把握・進捗管理
→早め早めの助言等
を行うとしています。〔17〕
進捗管理とは、単に数字を集めることではないはずです。
数字の変化から、「どこかで何かが止まり始めていないか」を発見する。
そして、大きな遅れになる前に対応する。
そこまでできて、初めて進捗管理がマネジメントにつながるのだと思います。
目の前の手続きを楽にすることと、全体を早くすること
第3章で紹介した各自治体の公費解体手続きには、興味深い違いがありました。
登記事項証明書を申請者自身に提出してもらう自治体。
行政が法務局から登記情報を取得する自治体。
相続関係の戸籍を申請者に取得してもらう自治体。
これらについて、どの方法が常に正しいと単純に決めることはできないと思います。
行政が登記情報を取得すれば、登記事項証明書の取得・提出に伴う住民の負担は軽くなります。
一方で、申請者自身が登記を見ることで、早い段階で相続未登記などの問題に気付く可能性もあります。
しかし、そこで考えるべきなのは、「書類を誰に取らせるのが最も楽か」だけではありません。
最終的な目的は、被災者の復旧・再建をできるだけ円滑に進めることです。
そうであれば、登記情報を行政が取得する方が早いのであれば、行政が取得する。
しかし、そこで所有関係の問題が分かったなら、すぐに申請者へ伝え、次の相続関係の確認へつなぐ。
戸籍収集が被災者にとって大きな負担になるのであれば、行政による職権取得が可能かを考える。
行政だけで処理することが難しいのであれば、行政書士や司法書士などの専門家の力を使う。
重要なのは、個々の手続きをそれぞれ最適化することではなく、申請から復旧・再建までの全体の時間を短くすることだと思います。
一つの窓口の仕事だけを楽にした結果、その先の工程で大量の手戻りが発生するのであれば、全体としては速くなりません。
逆に、一つの工程で少し手間をかけることによって、その後の手戻りを大きく減らせるのであれば、その方が全体として早いこともあります。
行政マネジメントには、この全体を見る視点が必要です。
復旧・再建を妨げる負担を、住民だけに背負わせない
災害時には、平常時なら本人に行ってもらう手続きであっても、同じように求めることが適切とは限りません。
被災者は、自宅を失ったり、避難生活を続けていたり、家族を亡くしていたり、仕事や事業の再建にも追われていたりします。
その状況で、「この戸籍を全部そろえてください」「全員の同意を取ってください」「この証明書を別の役所で取ってきてください」と求めることが、制度上必要な手続きであっても、現実には手続きの大きな障害になることがあります。
第3章で見た輪島市の戸籍職権取得は、その一例です。
「戸籍等は輪島市が職権で取り寄せし確認するので不要」
としていました。〔6〕
これは、住民に代わって何でも行政が行うという意味ではありません。
行政側で取得・確認できるものを、行政が引き受けるという役割分担と見ることができます。
逆に、住民本人でなければ決められないこともあります。
専門的な判断が必要なのであれば、外部専門家へつなぐ方がよいこともあります。
重要なのは、「これは住民の仕事」「これは行政の仕事」と最初から固定して考えるのではなく、復旧全体を円滑に進めるために、誰が処理するのが最も適切かを考えることではないでしょうか。
制度を作るだけでなく、「使える状態」にする
第4章で取り上げた宣誓書方式は、この問題をさらによく表しています。
国は2024年5月、共有者等の同意取得が困難な場合に、一定の条件の下で宣誓書方式を使えることを示しました。〔11〕
しかし、制度上「使える」ことと、現場で実際に使われることは別です。
担当者が、どの案件なら使えるのか分からない。どの程度の確認をすればよいのか判断できない。後からトラブルになった場合のリスクを懸念する。住民や支援者が、そもそもその方法を知らない。
そうした状態であれば、制度は存在していても十分には機能しません。
行政マネジメントで必要なのは、制度を通知するところで終わらせず、現場で使える状態まで落とし込むことだと思います。
判断基準を明確にする。難しい案件を相談できる仕組みをつくる。組織として判断できるようにする。担当者によるばらつきを減らす。住民や支援者に周知する。
環境省の「公費解体・撤去マニュアル第7版」でも、公費解体の対象物や申請書類等を要綱などに明示することによって、
「担当者間による判断の個人差をなくし、円滑な業務遂行に繋がっていく」
としています。〔13〕
これは、非常に重要な指摘だと思います。
災害時の行政では、制度だけでなく、組織としてどう判断するかという仕組みまで準備しておく必要があります。
災害から「学習する行政」へ
ここまでの事例を通じて、私が特に重要だと考えるのが、この点です。
行政は、災害から学習できる。
能登半島地震では、公費解体を進める中でさまざまな問題が明らかになりました。
所有者が分からない。相続人が多数いる。共有者の同意が取れない。必要書類をそろえることが難しい。自治体によって運用方法が異なる。
こうした問題に対応するため、環境省・法務省は宣誓書方式などを示し〔11〕、環境省は公費解体・撤去マニュアルを繰り返し改訂してきました。〔13〕
現在のマニュアルには、能登半島地震で宣誓書方式が全体の約5%活用され、それによるトラブル等も報告されなかったという実績まで記載されています。〔13〕
そして2026年の熊本地震では、発災後早い段階で公費解体支援チームが設置され〔16〕、熊本県が市町村への伴走支援と進捗管理を行い〔17〕、熊本市では必要書類がすべてそろっていなくても、提出可能な書類から申請を進められる運用が行われています。〔15〕
もちろん、これらすべてが能登の経験によって生まれたと断定することはできません。
熊本には、2016年熊本地震など、自らの大規模災害への対応経験もあります。
それでも、災害で起きた問題を記録し、その知見を次の制度やマニュアル、運用へ反映させるという仕組みが存在することは確認できます。
私は、この循環をもっと意識的につくることが重要だと思います。
災害が起きる → 問題が発生する → なぜ止まったのかを分析する → 運用を変える → その経験を仕組みとして残す → 次の災害では改善した状態から始める
という循環です。
同じ問題を、災害のたびに一から経験する必要はありません。
平時に準備できることは多い
このことを考えると、行政マネジメントは災害が起きてから始まるものでもありません。
むしろ、平時にできることは多くあります。
公費解体が必要になったとき、どの部署が担当するのか。
登記情報をどう取得するのか。
相続未登記の場合の戸籍を誰が集めるのか。
共有者等の同意が困難な場合に、どの判断基準を使うのか。
行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの専門家とどう連携するのか。
申請が急増した場合に、進捗をどう把握するのか。
どの数字を見れば、どこで滞留が始まっていることが分かるのか。
こうしたことを、災害が起きてから初めて考えるのと、平時から想定しておくのとでは、初動に違いが生じます。
すべてを事前に決めておくことはできません。
災害ごとに状況は違います。
だからこそ必要なのは、細かな手順をすべて固定することではなく、「問題が発生したとき、どこを見て、誰が判断し、どう改善するのか」というマネジメントの仕組みを準備しておくことだと思います。
行政マネジメントが地域の未来を変える
災害そのものをなくすことはできません。
次の大地震が、いつ、どこで起きるのかも分かりません。
大雨や台風による災害も繰り返し起こります。
しかし、災害が起きた後の対応については、過去の経験から変えられることがあります。
制度をどう動かすのか。
どこで復旧の流れが止まっているのかをどう把握するのか。
誰がその問題を処理するのが最も適切なのか。
住民、行政、専門家がどう役割を分担するのか。
問題が大きくなる前にどう対応するのか。
一つの災害で得た経験を、次の災害へどう引き継ぐのか。
一つ一つは、地味な行政実務の話に見えるかもしれません。
しかし、公費解体が早く進めば、その先の住宅再建も早く始められる可能性があります。
事業者が早く再建できれば、雇用や取引先の維持にもつながる可能性があります。
仮設住宅から恒久的な住まいへ移ることができれば、その人の生活再建も前へ進みます。
そして、一人一人、一社一社の再建が積み重なって、地域の復興になります。
だから私は、行政の仕事の進め方は、地域の未来に影響すると考えています。
能登の復旧支援に関わる中で、そのことを強く感じました。
そして、能登で起きたこと、そこで工夫されたこと、十分に機能しなかったこと、その後改善されたことを、能登だけの経験として終わらせてはいけないと思います。
次の災害では、同じところで止まらない。
前回より少しでも早く、被災者の生活と地域を前へ進める。
そのために過去の災害から学び、制度と運用を変え続ける。
それが、これからの行政に求められるマネジメントではないでしょうか。
私は、能登での経験を通じて、災害復興の速度を大きく左右するものの一つが、行政マネジメントだと考えています。
制度をどう動かし、どこで止まっているのかを見極め、その学びを次の災害へつなぐ。その積み重ねが、一人ひとりの生活再建と地域の復興を前へ進めます。
行政マネジメントが地域の未来を変える。
参考資料
- 気象庁「『令和8年熊本地震』について(第12報)」、2026年9月24日。M7.1、宇城市・氷川町で最大震度7、地震活動及び今後の見通し。
- 総務省消防庁「令和8年 災害情報一覧」、2026年9月27日閲覧。
- 石川県「住宅の応急修理について(災害救助法:令和8年8月27日からの大雨に伴う災害)」、2026年9月16日更新。
- 石川県「賃貸型応急住宅の供与について(みなし仮設住宅)(令和8年8月27日からの大雨)」、2026年9月2日更新。
- 環境省「公費解体に係る損壊家屋等の所有権等に関するワーキンググループ 取りまとめ」、2025年12月15日。2頁:公費解体の目的・手順、3頁:所有権・相続等の課題、5頁:財産権保護と復興推進、6頁:復興プロセスにおける公費解体の位置付け。
- 輪島市「令和6年能登半島地震に伴う被災家屋等の解体・撤去等のお知らせ(第16版)」、2025年2月19日。3頁:登記事項証明書等による権利関係の確認、8頁:相続未登記の場合の戸籍の職権取得。
- 衆議院「第213回国会 環境委員会 第2号」、2024年3月12日。公費解体の申請手続きの簡素化事例として、環境省が、能登町では登記事項証明書について申請者からの提出を不要とし、町が法務局から登記情報の提供を受けて確認していると説明。
- 内灘町「公費解体制度について」。掲載ページ2025年3月7日更新。登記情報の行政側確認及び相続関係書類について記載。
- 宝達志水町「公費解体について」、掲載ページ2025年1月7日更新。必要書類一覧に登記情報及び相続関係書類の取扱いを記載。
- 七尾市「建物の解体・撤去〔公費解体制度〕について」、2025年11月19日更新。掲載されている必要書類一覧に、登記事項全部証明書及び所有者死亡時の相続関係書類を記載。
- 環境省・法務省「令和6年能登半島地震によって損壊した家屋等に係る公費解体・撤去に関する申請手続等の円滑な実施について(周知)」、2024年5月28日。共有者等の意向確認が困難な場合の宣誓書方式及び参考様式。
- 「公費解体の課題と取組状況について」資料日付2024年7月17日。能登創造的復興タスクフォース(第2回)資料。表紙に「環境省資料を一部修正したもの」と記載。4頁:宣誓書方式の積極的活用。
- 環境省「公費解体・撤去マニュアル 第7版」、2026年8月。6頁:判断基準等の明確化、32~33頁:宣誓書方式、33頁:能登半島地震で全体の約5%程度に宣誓書を活用し、トラブル等の報告なし。
- 七尾市議会「議会だより第83号」2025年9月会議。相続関係・共有物件の同意取得困難案件と宣誓書方式に関する一般質問・答弁。
- 熊本市「令和8年熊本地震で被災した家屋等の解体・撤去について」、2026年9月11日更新。必要書類が全てそろわない場合の申請、不足書類の後日提出、共有者・相続関係書類等について記載。
- 環境省「令和8年熊本地震に係るSNSの発信8月分」。2026年8月7日、公費解体支援チーム及び災害廃棄物支援調整本部の設置。
- 熊本県「令和8年8月13日知事定例記者会見」。公費解体に取り組む市町村への伴走支援として「技術的支援」「連絡調整」「進捗管理」、「早め早めの助言等」を記載。
- 環境省「令和8年7月28日令和8年熊本地震について 環境省の取組」。2026年8月24日、公費解体・撤去の受付体制確保等に関する通知及び「公費解体・撤去マニュアル第7版」の周知。
- 石川県「応急仮設住宅等の入居状況について」、2026年9月1日現在。能登半島地震7,169世帯・13,980人、奥能登豪雨165世帯・381人。
- 熊本県「令和8年9月14日知事定例記者会見」。「くまもと事業者再出発支援補助金」。中小企業・小規模事業者及び特定被災事業者(多重被災事業者)への支援内容。
